バルセロナの街を歩いているといろいろな場所で黄色いリボンを見かけます。「黄色いリボンにはどんな意味があるの?」と思う人が多いようなので、今回は「黄色いリボンの意味」と「黄色いリボンを見かけた時に注意すること」を解説します。
バルセロナで見かける黄色いリボン
バルセロナやジローナ、タラゴナなどのカタルーニャ地方の街を歩いていると、建物のベランダや道路のイタズラ書きなど、色んなところで「黄色いリボン」を見つけることができます。上着の胸にピンパッジを付けている人もいます。
黄色いリボンが意味すること
この「黄色いリボン」は、2017年にカタルーニャ州で独立の是非を問う住民投票を実施したとして勾留されている政治家や活動家の解放への願いや、カタルーニャ州議会を強制解散させたスペイン中央政府への抗議の意を表しています。
2019年10月14日にスペイン最高裁が独立派の政治家・活動家12人に下した判決は、禁錮13年などの厳しいものでした。この判決に不服を示すデモの参加者には、黄色いリボンのマークを身に付けている人が多くいます。
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黄色いリボンは“カタルーニャ独立運動の象徴”といわれることもありますが、単純に独立支持派だから身につけているということでもないようです。独立には反対だけれども「スペイン政府の弾圧からの解放と自由な思想を持つことは望んでいる」という人は多くいます。カタルーニャの人たちが渇望しているのは、独立賛成・反対の意思を示す表現の自由。民主主義でありながら制圧される理不尽さからの解放。
それは独立という形でしか実現しないのか、またはスペイン政府とカタルーニャ州との深い対話で歩み寄ることができるのか、気になるところです。
黄色いリボンを見かけたときに注意すること
このように黄色いリボンには、カタルーニャの人々の大切な願いが込められているため、旅行中に黄色いリボンを見かけた時は眺めるだけにしておきましょう!
2018年には、ある女性が公園に落ちていた黄色いリボンを拾ったり飾られていたリボンを外そうとした様子を見た男性が腹を立て暴力をふるい、女性が鼻の骨を折るなどの怪我を負う事件がありました。黄色いリボンの意味を知らずに触れると思わぬ事件に巻き込まれてしまう可能性もありますので、リボンを見かけてもそっとしておきましょう。
各国で異なる黄色いリボンの意味
イエローリボン - Wikipediaによると、この黄色いリボンは国によって異なる意味で使われているようです。
- アメリカ:戦争に行った愛する人の帰りを待ちわびている思いを表す。
- シンガポール:前科者の社会復帰支援を表す。
- マレーシア:自由を願うシンボル。
- 香港:香港反政府デモで民主選挙、平和、政府体制の改革を願う意味。
- 韓国:セウォル号沈没事件の際、乗船者の無事を祈る意味で使われた。
- 日本:障害者権利条約の普及、障害がある人の社会参加推進のシンボルマーク/脱原子力発電を願う意味/海外派遣中の自衛隊の無事帰還を祈る意味
- カタルーニャ州(スペイン):カタルーニャ州で独立運動を行ったとして投獄されている政治家・活動家の解放への願いと、スペイン政府の弾圧への抗議を表す意味で使われている。