スペインの6月24日はサン・フアン(St.Joan)の日。スペイン各地で火祭りが行われ、この日を境に本格的な夏を迎えます。今回はサン・フアンの起源や焚火の意味などを紹介します。
6月24日はサン・フアンの日
スペインでは毎年6月24日は聖ヨハネの日=「サン・フアンの日(El día de St. Joan)」、バルセロナではサン・ジョアンの日と呼ばれています。
一年で最も夜が短い日である夏至(6月21日)に近いこの6月24日を境に、スペインは夏モードに突入。学校は長い夏休みに入り、バケーションに出かける人も増えてきます。
サン・フアンの日の起源と火を焚く行事
サン・フアンの日は現在ではキリスト教の洗礼者・聖ヨハネ誕生の祝祭として位置づけられていますが、サン・フアンの日に火を焚く行事はキリスト教以前の古代の儀式から続いるという説や、異教の魔術的習慣が今の時代に受け継がれてたものだという説があります。
焚火の儀式の形式はスペイン各地域によって異なりますが、多くは前夜の23日夜に行われます。 私が住むバルセロナでは花火や爆竹で盛大にお祝いされます。この日は夜中まで爆竹の音や人の騒ぐ声が街に響き渡るので、安眠できない覚悟で過ごします。笑
画像出典元 Foguera de Sant Joan | Cultura Popular
もともとこの儀式の目的は「太陽にもっと力を与えること」でした。夏至を過ぎると冬至にむかって徐々に日が短くなる、つまりその日から太陽の力が弱まると考えられていたため、象徴的に火を焚いて太陽に力を送る意味を持つそうです。サン・フアンの日のちょうど6か月後には、冬至とクリスマス(キリスト生誕)が訪れます。
サン・フアンの日に食べるお菓子「コカ」
バルセロナがあるカタルーニャ地方では、サン・フアンの日に「コカ(Coca de Sant Joan)」というお菓子を食べる習慣があります。コカについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
2020年のお祭りは「今までと同じようにはできない」
バルセロナで最も愛されているお祭りのひとつ、サン・ファン。しかし今年は6月21日に警戒事態宣言が解除されたばかりのスペインなので、例年のように盛大に祝うことはできません。今年は「人との安全な距離を保ち、人ごみを避けて祝う必要がある」とバルセロナ市が明言。
いつもならバルセロナのビーチでは大規模なパーティーが行われますが、バルセロナのビーチは、6月23日の午後8時から24日の午前10時まで閉鎖され、各地区が主催する花火イベントも縮小版で開催されるとのことです。もちろん人が屋内に密集するクラブイベントもできません。
そんな中、今年はオンラインでサンフアンを祝おう!という動きも出てきています。バルセロナの山側エリア「Horta-Guinardó地区」のカルチャーセンターは、自宅で家族や友人たちとサン・フアンをお祝いする人たちを盛り上げるために、DJのライブセッションをYouTubeで配信する予定。
Cultura confitada des d'Horta - Guinardó | Centres Cívics
【参考にしたサイト】
Fiesta de San Juan - Wikipedia, la enciclopedia libre
Coca de Sant Joan | Cultura Popular
Twenty things you didn’t know about Sant Joan flat cake | Cultura Popular
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