スペイン政府が2020年夏の観光客受け入れ再開の方針。外国からの渡航者の2週間隔離措置を7月から解除すると発言しました。バルセロナ在住者が最近のスペインの様子や今年の夏の見通しを書いた記事です。
- 今週からFase1。バルセロナの街の様子
- スペインは7月から海外観光客の受け入れ再開へ
- スペインのCovid-19感染者数・死者数
- スペイン人の衛生意識は変わったのか?
- デモ活動もソーシャルディスタンス
日本は緊急事態宣言が解除されましたね!スペインは6月7日まで引き続き警戒事態体制(Estado de alarma)が続く予定ですが、厳しかった外出禁止制限は少しずつ解除されてきました。5月25日スペイン政府は7月から外国からスペインへ入国する観光客受け入れを再開すると発表。ホリエモンさんもスペイン行きたい!とつぶやいていました。
流石です!スペイン旅行いきたいなー!
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2020年5月26日
スペイン、外国人観光客受け入れ再開へ 7月から隔離解除 - https://t.co/2NyByIa3iQ
ホリエモンさん、来てきてー!
【随時更新】スペイン(バルセロナ地域)の新型コロナウイルスに関する影響について - ばるログ in バルセロナ
【2020年7月2日追記】
スペインではEU圏内の移動が始まって、スペイン国外からの旅行者も受け入れ始めています。ただし日本からのスペイン旅行・出張はまだできません(日本側の水際対策によって、スペインから日本に帰国した人は帰国後2週間の自己隔離が必要になるため)。詳しくは外務省の発表をご確認ください。
今週からFase1。バルセロナの街の様子
スペインでは自治体別に感染状況を見ながら制限解除が進んでいます。制限解除はフェーズ0~3の4段階に設定されていて、私が住むバルセロナは今週5月27日(月)からフェーズ0→1に進みました!これにより飲食店のテラス席営業が50%可能になったり(店内席はまだNG)、入場制限はあるものの衣料品店や雑貨店など小売店の営業も再開されてきました。
→スペインの規制緩和4つのフェーズについてはこちらの記事:【スペインのロックダウン緩和】6月中に新しい日常?4つのフェーズを経て地域ごとに規制緩和へ
しかし2ヶ月に及ぶ外出制限のあいだに営業継続を断念した様子の店舗もチラホラ。すでに看板が下ろされていたり、入居者募集中の文字が見られるようになってしまいました。私がバルセロナ中心地で見かけたのは、カフェ・レストラン・衣料品店・銀行の支店などの撤退。しばらくは以前のような人の入りは見込めないと思いますが、好きなお店にはいつまでも続けていただきたいので、私もテイクアウト利用などでわずかながら売り上げに貢献したいと思っています。
バルセロナ中心地プルベンサ通りの一角だけでもこの2週間でテナント空室が急増↑。
スペインは7月から海外観光客の受け入れ再開へ
外国からの観光客受け入れを7月に再開することをスペイン政府が閣議決定したニュースが一昨日報じられました。具体的な日程や詳細はまだ未定ですが、夏の観光シーズンに向けてスペイン経済の主軸である観光産業を再開させる方針が明らかになりました。
スペインは年間約8,300万人の観光客を受け入れており、そのうち日本人も55万人訪れています(2018年)。観光分野はスペインのGDP(国民総生産)の12%を占めるというから、観光客を取り戻すことはスペイン経済立て直しの要です。
一方で、日本の外務省がいつまで不要不急の渡航をやめる呼びかけを続けるのかや、航空会社の運行予定によって、スペイン旅行や出張がいつからできるようになるのか左右されます。そのため今年の夏に日本からスペイン旅行ができるかの見通しは今のところまだ不明です。
スペインのCovid-19感染者数・死者数
スペインは世界で最も新型コロナウイルスの影響を受けている国のひとつですが、5月に入ってからスペイン国内の感染ペースは落ち着いていて、5月25日〜27日に確認された新規死者数(24時間以内に新たに亡くなった人の数)の報告は3日連続ゼロに!このまま収束し第2波がやってこないことを祈るばかりです。5月27日現在、スペイン全体の累計感染者数は236,769人、累計死亡者数は27,118人となっています。
El Coronavirus: Gráficos, Mapas y Datos del COVID-19 - RTVE.es
スペイン人の衛生意識は変わったのか?
もしもこの夏、スペインへの旅行が再びできるようになったとして、安心して旅行を楽しめるのか?気にされる方がいらっしゃるかもしれません。私の個人的な見方ですが、スペインで生活していて感じることを書いておきます。
スペインの人は日本人に比べおおらかな性格で細かいことを気にしない人が目立ちます。コロナ感染流行前は同じティッシュで一日何度も鼻をかんだり(良く言えばエコ!)、マスクする習慣がないお国柄でしたが、この2ヶ月を経てすっかり衛生観念が変化したように見受けられます。
多くの人はマスクを着けて外出してるし(義務だから)、スーパーや小売店の入り口には除菌ジェルと使い捨て手袋が設置されているし(義務だから)、入店制限の列にちゃんと2m確保して並ぶし(義務だから)など、政府によってかなり明確なルールが作られたこともあって、生活者としては安心して日常をおくることができています。
もし細かいルールがなくて日本みたいに「自粛」だったとしたら、みんな好き勝手してしまうんだろうと思いますが、スペインの人たちは一度決まったことはちゃんと守るし、毎晩の拍手タイムにご近所さんとベランダ越しに交流したり、文句をタラタラ言わないで外出禁止を前向きに楽しむ姿が印象的でした。
スペインの人たちに対しては、ラテン気質でのんびり朗らか、仕事は自分の役割はきちんとやるけど帰るの早い!ランチタイム長い!夏休みも長い!というような、良い意味で力の抜けた適当さがあるイメージを持っていました。しかし今回のコロナ騒ぎでは、急遽決められたルールをすぐに理解して、きちんと行動する姿に感心しました!サッカーのスペイン代表チームの戦術理解度とそれをプレーで再現するパフォーマンス力の高さを連想させるような、スペインという国の胆力を垣間見た気がしました。
人と会っておしゃべりするのが大好きなスペイン人。これから措置の緩和が進むにつれ家族や友人との再会の場が増えると、再び感染が流行する可能性もありますが、2ヶ月間辛抱強く我慢したと思います!スペイン人同士が行う挨拶「Besos y Abrazos(ほっぺたへのキスと抱擁)」はしばらくおあずけですが、肘を付ける新しい挨拶の方法が提唱されています。(街中でこの挨拶してる人をまだ見たことはありませんが。笑)
Sanidad señala que un solo brote podría ser el inicio de otra ola epidémica - RTVE.es
デモ活動もソーシャルディスタンス
デモ活動が日常的なスペイン。ほんの少し外出制限が緩和された先週末、さっそくスペイン各地で政府に対するデモが行われました。(人が密集しないようにクルマやバイクに乗って道路を占拠して走るデモだったので一応は行動変容?)。
La manifestación contra el Gobierno, en directo: Madrid, colapsada por la marcha
さらに昨日・今日はバルセロナに工場がある日産モトルイベリカの労働組合がバルセロナ市内各所でデモを行ったりと、主張を行動で示す態度は変わらずです。こちらもマスクはちゃんとしてますね。
Colau recuerda el papel de BCN como ciudad de movilidad ante Nissan
以上は私が住んでいる地域の様子であって、スペイン全土が同じ環境ではないと認識していますが、個人的には不安なく生活できているし、スペインの人の衛生に対する意識はこの2ヶ月で変わってきていると思います。私も夏にはスペイン国内旅行をしたいなぁと目論み中!
最後まで読んでいただきありがとうございました。Hasta luego!
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