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【サグラダ・ファミリア】3つのファサードの特徴と2019年の進行状況!

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サグラダ・ファミリアの外観には「生誕」「受難」「栄光」の3つのファサードがあることをご存知でしょうか?サグラダ・ファミリアを見学する前にそれぞれどんな特徴があるのか予習しておくと、実際に目にしたとき何倍も楽しむことができます。今回は3つのファサードの特徴と、唯一完成していない「栄光のファサード」の2019年11月時点の進行状況をお届けします。

サグラダ・ファミリア3つのファサードとは?

サグラダ・ファミリアは建築家アントニオ・ガウディの未完の作品。カトリックを篤く信仰していたガウディが世界中の人たちにキリスト教の世界観を伝えたい思いを込めて設計した教会で、着工してから130年以上経った今もなお建築が続けられ、ガウディ没後100年にあたる2026年の完成を目指し急ピッチで作業が進んでいます。

さて、タイトルにもある「ファサード」とは一体何のこと?と思われた方もいると思いますので、まずはその説明を。「ファサード」とは、建築物正面部の装飾や、入り口にあたる門のことを指します。建物のもっとも目立つ場所であり、街並みの景観にも影響を与える重要な部分です。

サグラダ・ファミリアには3つのファサードがありますが、すでに完成しているのは「生誕のファサード」「受難のファサード」の2つのみ。3つ目の「栄光のファサード」は建築途中です。ちなみに世界遺産に登録されているのはサグラダ・ファミリア全体ではなく、生誕のファサード(と地下礼拝堂)のみ。以下でこの3つのファサードそれぞれの特徴について、一つずつ説明していきます!

「生誕のファサード」イエス誕生~青年期まで

朝日が昇る東に向いて建てられているのが「生誕ファサード」。ここにはイエス生誕から青年期までの物語が繊細な彫刻で表現されています。生誕のよろこびを感じさせる暖かく柔らかな雰囲気。サグラダ・ファミリアに入場する際はここから入ります。

生誕のファサードの前に立ち上を見上げると、イエスの母マリアとその夫ヨセフ、羊飼いたちや東方の三博士など、聖書に登場する人物の装飾的な彫刻が施されています。イエスの誕生を祝福するための楽器を奏でる15体の天使像は、日本人彫刻家の外尾悦郎氏が手掛けたものです。

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教会の入り口扉には、動物や植物など自然界の生命をモチーフにした装飾が施されています。この扉も日本人彫刻家の外尾悦郎氏の手によるもの。様々な植物や昆虫がひそんでいるので、訪れたらじっくり見てくださいね。

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生誕のファサードの脇にいる2匹の亀は、山側が陸ガメ、海側が海ガメ。この大きな亀はただの装飾としてだけではなく、ファサードの柱をしっかりと支え構造的に補強し、雨が降った時は柱の中を雨水が通り亀の口から吐き出されるしくみになっています。

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ガウディの建築はこのようにデザインが何かしらの機能を果たすように作られています。機能・デザイン・思想の象徴を、ひとつの中で同時に実現してしまうあたりがガウディが天才いわれる所以。

サクラダ・ファミリアが完成したあかつきには、教会としての役割を果たすと同時に、「巨大な楽器」としても機能する予定。 ガウディが考えたことはとてつもなく壮大ですね!いずれ生誕のファサードには84本の鐘が吊るされ、素晴らしい鐘の音をバルセロナの街中に響かせてくれる予定です。

「受難のファサード」最後の晩餐~イエスの磔と昇天

日が沈む西を向いて立つのは「受難のファサード」。生誕のファサードとは雰囲気が大きく変わり、緊張感のある冷たい印象を持ちます。ガウディ没後に建築されました。

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受難のファサードでは、聖書に書かれている最後の晩餐からキリスト磔、そして天に召されるまでの物語が表現されています。斜めに張り出した柱は、まるでピンッと張った身体の腱のよう。その上には骨のような装飾も。
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受難のファサードを担当した彫刻家の故・スビラックス氏という方は、ガウディの遺志を無視して全く違う斬新なものを作ってしまったそうです。スビラックスさんはガウディのスタイルをそのまま踏襲するのではなく、今の時代に根差した表現をするというポリシーを持っていたことに加え、彼は無神論者でした。人物の彫刻は角ばっており、その表情はデフォルメされ読み取るのが難しい。

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数字パネル、裏切者ユダがイエスにキスをするシーン

受難のファサードには謎の16個の数字が並べられた正方形のパネルがあります。この数字は縦・横・斜めどの4つの数字を足しても「33」になるのですが、この「33」という数字は、イエスが昇天した時の年齢を表しています。

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サグラダ・ファミリアの内部から外の受難のファサードに通じる扉には、世界中の言語で祈りの言葉がかかれています。

「栄光のファサード」未完成!審判や天地創造の場面

サグラダ・ファミリア3つのファサードのうち、唯一未完成なのが「栄光のファサード」。このファサードには、最後の審判や天地創造などの物語が表現されます。ガウディが最終案を残す前に亡くなってしまったため確かではありませんが、栄光のファサードは打楽器系の楽器の役割になると言われています。「生誕」「受難」がまったく異なる印象なので、果たして受難のファサードはどんな雰囲気になるのだろうとワクワクしますね。

そしてつい先日のことですが、サグラダ・ファミリアの横を通ったら、なんと!「栄光のファサード」側を覆っていた目隠しが外されていました!ところが…そのとき見た「栄光のファサード」の一角は、想像していたのと全然違う!!いや、まだまだ建築の途中だし、完成後のサグラダ・ファミリアは私の想像力なんて遥かに凌駕するものなんだとは分かっているのですが、現状の栄光ファサード初見の感想は…

 

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「まるでオフィスビルやん!!」

 

東京のオフィス街にありそうなガラス窓を見た瞬間、サグラダファミリアにこれを装備してしまうのか!と、ある意味大きな衝撃でした。

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まだまだ建築途中で塔もこれから建ちますし、様々な装飾も加えられることでしょう。勝手に想像して期待して驚いて、まったく身勝手なものですが、現状の姿を見ながら今後変化していく姿に思いを馳せることができる。それがサグラダ・ファミリアならではの楽しみ方だなと思います。中心のガラス窓から光が取り込まれた内部はどんな明るさになるのかなとか、波打つような壁面はどう装飾されていくのだろうなどと、見る人すべてに自由に想像することを許してくれる尊大さを感じる、それが現状の栄光のファサードを見たときに感じたことです。

2026年の完成が待ち遠しい!

まだまだ完成にはほど遠いサグラダ・ファミリアですが、急ピッチで建築が進んでいることがわかります。サグラダ・ファミリアは訪れたその日、その瞬間だけの姿を見ることができるのが醍醐味。2026年の完成が楽しみです!

 

本記事はこちらの本を参考にさせていただきました。サグラダ・ファミリア建築に携わる日本人彫刻家・外尾悦郎氏の思いを通じてガウディの遺志を知ることができます。サグラダ・ファミリアをはじめ、ガウディ建築に興味がある方にはとてもおすすめの一冊です。

 

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