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【スペインのロックダウン緩和】6月中に新しい日常?4つのフェーズを経て地域ごとに規制緩和へ

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スペインは「新たな日常」に向けて、新型コロナウイルス関連規制を段階的に緩和する計画を発表。スムーズに進めば6月中に「新たな日常」がはじまるかもしれません。

 

スペイン、夏前に「新たな日常」を目指す

スペインのペドロ・サンチェス首相は、4月28日に会見を行い、「新たな日常 "nueva normalidad"」に向けた新型コロナウイルス感染拡大防止規制の緩和プランを発表しました。「新たな日常」とは、新型コロナウイルス拡大以前の日常とまったく同じではないけれど、一定の制限は設けたうえでなるべく元に近い状態へ戻ることを言います。

 

提案された計画は、感染発生状況に応じて「4つの段階」を経て、「県・島など地域ごとに」に進められます。中央政府によって全体調整が行われながら、状況によってはレジリエンスな進展が検討されるとのこと。

 

各段階は最低2週間適用され、その後、感染が再び増加しなかった場合は次のフェーズに進むことができるという計画のため、少なくとも8週間をかけて最終段階に到達するものです。

 

5月2日から個人での散歩・運動のための外出が可能に

スペインは1週間前から14歳未満の子どもの散歩が認められるようになりましたが、明日5月2日からは、14歳以上の大人を対象に個人でのが散歩や運動のための外出が可能になります。ただし人の密集を避けるために、当面のあいだ以下の通り外出可能な時間帯を設定しています。

 

【外出可能な時間帯】

  • 06-10時:14歳以上のスポーツ・散歩
  • 10-12時:70歳以上の高齢者・介助が必要な人と付添人
  • 12-19時:14歳未満の子どもの散歩
  • 19-20時:70歳以上の高齢者・介助が必要な人と付添人
  • 20-23時:14歳以上のスポーツ・散歩

 

外出時は他人との距離を1.5メートル以上取ること、手洗いを一層心がけることなどを呼びかけています。散歩は1日1回1時間で住居から1km以内で、同居する人なら1名同行が可能です。個人のスポーツは居住する市町村内で実施可能。

 

4つの段階を踏んで緩和(フェーズ0~フェーズ3)

規制緩和の4つ段階はフェーズ0~フェーズ3に設定され、すべてのフェーズをクリアした後、「新たな日常」を迎えることと想定されています。各フェーズの詳細は以下のとおり。(ここではバルセロナの想定スケジュールを記載。

【フェーズ0】5月4日~

  • 散歩・個人の運動(5月2日から先立って可能)
  • 飲食店の事前注文による持ち帰り(店内での消費は不可)
  • 個人(プロスポーツ選手を含む)のトレーニング、プロスポーツチームの軽いトレーニング等

【フェーズ1】5月11日~(Formentera島、La Graciosa島、El Hierro島、La Gomera島は5月4日~)

  • 大規模商業施設を除く商業施設・飲食店(テラス:定員の30%)の営業
  • ホテル(共通スペースは閉鎖)の営業
  • 農業活動,プロスポーツ活動、宗教施設の活動(定員の1/3)等

【フェーズ2】5月25日~

  • 飲食店(店内含む、ただしテーブル席のみ・適切な距離の確保:定員の1/3)の営業
  • 学校での補講(正式再開は9月)・両親が出勤の場合の6歳未満の生徒の通学
  • 狩猟・スポーツフィッシング
  • 映画館・劇場・博物館等の文化・娯楽施設等の営業(定員の1/3)
  • 屋内(50人未満)・屋外(400人未満)の興業
  • 宗教施設の活動(定員の1/2)等

【フェーズ3】6月3日~

  • より柔軟かつ一般的な移動(屋外及び公共交通機関におけるマスクの使用を推奨)
  • 商業施設では2メートルの距離を確保しつつ定員の1/2とする
  • 飲食店では定員条件をより緩和等

 

 

段階的規制緩和の条件

この段階的な規制緩和プランは、来週5月4日(月)からスタートします。次のフェーズに進む際は以下の指針に基づいて判断されます。

 

フェーズ間の移行の原則

  • フェーズ1以降は、各フェーズが最低2週間継続される。
  • フェーズの進展(後退)は下記基準にもとづき次フェーズに進むかどうかを県・島ごとに保健大臣が決定する。

 

次フェーズへ進む判断をする際の共通基準

  • 公共医療的側面:医療機関のキャパシティ、感染症の管理能力等
  • 移動の状況:国内外の人の移動の強弱の管理
  • 社会的側面:高齢者等の社会的脆弱者への影響等
  • 経済的側面:各経済セクターへの影響等

 

県外には移動できない

住んでいる県の外への移動は、基本的に居住地・目的地の両方が「新たな日常」の状態になるまでできません。どうしても移動が必要な場合、正当な理由を証明することが必要です。

 

…ざっとこのような条件のもとで、段階的に緩和が進む予定です。バルセロナはもともと人口が多く人の動きも活発なので、緩和した途端に感染者が最増加しそうな点が気がかりですが、みんなが衛生状態に気を付けながら都市生活を送ればきっと大丈夫と信じるしかありません。夏前に新たな日常がはじめられることを祈って、私自身も十分気を付けてがんばります。

 

4月末までのスペインの新型コロナウイルス感染状況

5月1日発表(4月30日までのデータ)では、スペインの新型コロナウイルス感染者合計は215,216人、1日の新規陽性者は1,175、でした。

 

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