ガウディ建築カサ・ミラのバルコニーに焦点を絞って、その魅力やちょっとした小話をまとめました。リサイクル鉄素材を使った装飾、サステナブルなアイデア、隠された生き物、装飾でありながら建物の強度を支えている構造などについて解説します。
- 独創的な32の正面バルコニー
- バルコニーの素材はリユースした「鉄くず」
- ガウディ建築の特徴「機能性」と「芸術性」
- バルコニー装飾は自然界の生き物がモチーフ
- バルコニーに隠れた鳥、どこにいるかわかりますか?
- 建設当初は風刺画のネタにされてしまったバルコニー
▼こちらの記事もおすすめ。
【カサ・ミラ】なぜ別名「ラ・ペドレラ(採石場)」とニックネームで呼ばれるの?そもそも採石場って何? - ばるログ in バルセロナ
独創的な32の正面バルコニー
アントニオ・ガウディがサグラダ・ファミリア教会の建築に取り掛かる前、最後に手掛けた住宅建築(集合住宅)である「カサ・ミラ(別名ラ・ペドレラ)」。通りに面した正面(表側)には32のバルコニーがありますが、よく見ると不思議な装飾をしています。白い石灰石の壁面と、黒いバルコニーのコントラストが美しく映えています。
バルコニーの素材はリユースした「鉄くず」
カサ・ミラのバルコニーの手すりに使われている素材は、誰も必要としなかった「鉄くず」。ガウディは当時、街で廃棄されていた鉄の棒や板をバルコニーの装飾に用いました。独創的で洗練されたアイデア!
ここ最近、環境問題などを解決するためのサステナブルな(持続可能な)街づくりという言葉をよく耳にするようになりましたが、ガウディは100年以上前にバルセロナの街でサステナブルな建築を実践していたのですね。
ガウディ建築の特徴「機能性」と「芸術性」
カサ・ミラのバルコニーや柱はすべて異なる形状をしています。複雑で表情豊かなこの鉄の手すりは他の建築には見ない珍ようなしいものですが、装飾として建物に華やかな特徴を与えているだけでなく、建築の強度を補完する効果的な組み合わせだと言われています。建物には6,000を超える石のブロックが使われていますが、これらの石が鉄の金属要素によって構造に組み込まれているため、大きな窓を作ることができたそうです。
ガウディ建築の2つの特徴である「機能性 funcionalidad」と「芸術性/美学 estética」が詰ったカサ・ミラ。ガウディ建築の最高傑作とも言われる所以がよくわかります。
バルコニー装飾は自然界の生き物がモチーフ
うねうねした不思議なバルコニー、そのモチーフになっているのは、海藻や魚、鳥などの自然界の生物たち。ガウディは自然を心から敬い、植物や生き物を徹底的に観察して、効果的な建築構造を見出したり、装飾のヒントを得ていたといいます。ガウディ建築を知ると、インスピレーションというのは、物事を究極まで客観的に観察することで得られる(気づく)のだろうという気がしてきます。
バルコニーに隠れた鳥、どこにいるかわかりますか?
カサ・ミラのバルコニーに、鳥の装飾が隠れていると知ったのはつい最近!今まで、海藻とか葉っぱをイメージしているんだろうな~と思っていましたが、先日じっくりとバルコニーを眺めていたら、ついに鳥を発見しました!!
みなさん、鳥がどこにいるかわかりますか?
正解は... ↓
ここでーす!
正面入り口の下から3つ目、上からも3つ目のバルコニーの真ん中にいます。
こっちのバルコニーにはトンボがいるように見えます。(私だけ?)
こちらは、遺伝子の二重らせん構造のようにみえます。笑
建設当初は風刺画のネタにされてしまったバルコニー
そんな魅力たっぷりのカサ・ミラですが、建設された当初1911年のバルセロナのポスターには「まるで干しダラの展示販売のようだ」と風刺画が描かれてしまったほど、醜い建物とみなされていました。1984年にはほかのガウディ作品群とともに世界遺産に登録され、現在はバルセロナの貴重な観光資源になっているカサミラですが、当時はかなりの物議を醸した様子が伝わってきますね。皮肉たっぷりに風刺されたポスターも、今見ると本当に面白いですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。¡Gracias por leer mi blog!
▼こちらの記事もおすすめです。
スペインがロケ地になっている映画!おすすめ6選【#うちで過ごそう】
【カサ・ミラ】なぜ別名「ラ・ペドレラ(採石場)」とニックネームで呼ばれるの?そもそも採石場って何?