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【体験記】スペインで入院&手術した話|海外の病院医療事情

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少し前にスペインで入院&手術しました。これもスペインでの貴重な経験。記憶が新鮮なうちにスペインの医療事情や入院した時の様子を記録しておきます。

 

2021年2月、12cmまで巨大化した子宮筋腫を取ってもらうためにスペインの病院に入院し手術を受けました。まさか自分が海外で入院・手術することになるとは!でもこれも貴重な経験。これからスペインの医療機関を受診する人や婦人科系の疾患をお持ちの方の参考になるかもしれないし、私自身この経験を忘れないうちに整理してまとめておきたいという思いがあったのでブログに記録します。

 

スペインの医療制度について

まずはスペインの医療制度について簡単に説明しておきます。

スペインの医療保険には公共医療保険(Publicó プブリコ)と民間の私立医療保険(Privado プリバド)があります。

スペインの医療は充実していて、国が医療サービスを保障してくれます。仕事などの滞在ビザを取得していたり自営業者の申告をしている人は、Segridad Socialという社会保障に登録し社会保険料をおさめることになり、社会保障番号とTarjeta(タルヘタ)=カードが付与されます。そのしくみによって公共医療機関で基本検診や治療などを無料で受けることができるのです。ただし緊急外来以外は受診予約に時間がかかったり、ホームドクター制なので医師を選べないなどの難点もあります。

それをカバーしてくれるのが民間の私立医療保険。保険会社と提携している私立病院の中から自由に受診先を選ぶことができます。

今回私は家族で加入している私立保険会社の提携病院で受診・手術することにしました。私立医療保険は保険契約の内容によって無料保証範囲は様々ですが、私の場合は入院時の個室確保やパートナーの病院宿泊もカバーされていたりと手厚い内容で安心でした。保険契約をするとTarjeta(タルヘタ)=カードが届くのでそれを必ず病院に携行します。私の場合はAXA Segurosという保険会社です。

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スペインで入院するまで編

私がスペインで入院・手術することになるまでの顛末を時系列で記録しておきます。婦人科系のお悩みをお持ちの方がいたら、症状などが参考になるかもしれません。

 

【スペインで入院することになるまでの経過】

  • 2020年5月【激太り】コロナ禍のロックダウン中にスペイン移住1年経過。日本にいた時よりも8kg太ったことに気づく。厳しいロックダウン中に家で毎日お菓子づくりしていたのが原因と思い食生活を見直すと2〜3kg減。

 

  • 2020年8月【生理痛・PMS】今までよりも生理痛や生理前のおなかの張りがしんどくなる。生理が終わった直後だけスッキリするけどそれ以外の時期はずっと下半身が浮腫んでいる。ロックダウン中の不摂生と運動不足が不調の原因と思っていたけど違うかも?と思いはじめる。下腹部だけ異様にポッコリ。。

 

  • 2020年11月【医療通訳さん】バルセロナで出産した友人から医療通訳さんの存在を教えてもらい、気になっていた婦人科を受診する気になる。さっそく医療通訳さんに連絡して病院選びも相談。

 

  • 2020年12月【婦人科受診とエコー】医療通訳さんご帯同のもとはじめてスペインで婦人科を受診。その場で12cm大の子宮筋腫が見つかり手術が即決定。担当はカッコいい女医さん。

 

  • 2021年1月【血液検査】手術2週間前にラボで血液検査をしておくように言われたので実施。待ち時間もなくあっという間に終了。結果は翌日メール(SMS)で受け取り、印刷して術前検査の日に病院へ持参。

 

  • 2021年2月【術前検査】手術3日前に「胸部レントゲン」、「心電図」、「麻酔科医面談」、「PCR検査」を実施。手術前の疑問点などはこの時に麻酔科の先生に聞きました。

 

日本で婦人科検診した時も子宮筋腫は指摘されていましたが、まだそれほど大きくないので経過観察と言われてました。スペインで受診し12cm(赤ちゃんの頭くらい)まで大きくなっていると聞いた時は、驚いたというよりもおなかに感じていた違和感の正体に納得したというのが正直な感想。サバサバしたカッコいいドクトーラ(女医さん)が担当でとても心強い。悩む間もなく手術日が決まり、色んな物事が進んでいった感じです。

 

入院〜手術〜退院まで編

入院前の正直な気持ちは不安よりも「早くこの巨大な子宮筋腫を取り除いてもらってスッキリしたい!」という思いでした。バルセロナで仲良くしてもらっている身近な年上女性の方々とお話した際に、子宮筋腫や卵巣嚢腫の手術経験がある方が複数人いて、「大丈夫!大丈夫!」と励ましていただいたことが心の支えでした。

 

スペインでの手術は入院当日すぐに行われてちょっとビックリ!でした。日本の感覚だと前泊して心の準備して…というのを想像してたけど、スペインの病院はいい意味でアッサリしていて、変に思い悩まずに済んだので私にとってはよかったです。

 

【スペインで初入院~手術~退院までの経過】 

  • 入院&手術当日①【入院手続き】13:30に病院到着。入院前手続きを済ませてこれから数日間過ごす部屋(個室)へ移動。入院着に着替えてオペの順番が来るのを待つ。ちなみにタオルも入院着もすべて用意されてるので、靴下以外の着替えは持っていかなくても大丈夫だった。

 

  • 入院&手術当日②【オペ室へ】15:30から手術予定だったのに大幅にズレて17:00過ぎに。オペ室に入る前に点滴を打たれてドキドキが少しおさまる。何度も名前・生年月日・手術部位を確認される。麻酔マスクした数秒後に記憶がプツリ。

 

  • 入院&手術当日③【手術終了!】術後、目覚めたら酷い吐き気。点滴で吐き気どめを入れてもらう。手術が終わったのが19:30頃、オペ室から個室に戻ってきたのは21:00過ぎ。夫が仕事後にお見舞いに来てくれて顔を見てホッとする。

 

  • 術後1〜2日後【吐き気との闘い】くり返す吐き気で眠れず。入院中は固形物がどうしても食べられずリンゴジュースとゼリーで過ごす。痛みは薬(点滴)でしっかりコントロールされてほとんど感じない。看護師さんたちが数時間おきに様子を見に来てくれて安心。

 

  • 術後3日目AM【真っ赤な尿】尿の色が赤いままなので手術中からつないでいる尿道カテーテルを外す許可が出ない。担当医の見立てでは問題ないはずとのことだけど、念のためCT検査で術部の確認をすることに。

 

  • 術後3日目PM【退院!】CT検査の結果が夕方に出て、問題ないので尿道カテーテルを外して自力でおしっこ出せたら退院ね!と急展開。退院手続きは特になく、個室からさよなら〜と帰るだけ!帰り道に薬局に寄って処方されたお薬を購入。何はともあれ無事退院!

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入院中の食事。写真に映っている薄味のスープすら飲めなくて残しちゃいました…。

 

さて、入院前は夫に「別にお見舞い来なくてもいいよ〜退院する時もタクシーで帰るから付き添いはいらないよ〜」なんて余裕をかましてたんですが。やはり手術して体が弱ると心も柔っこくなるようで、術後に夫の顔を見た時は安心して涙が出そうになったのでした。

 

入院中は看護師さんたちが優しく&明るく接してくれたおかげで、簡単なスペイン語会話しかできない私でも不安を感じずに過ごすことができました。

 

処方されたお薬

退院する時に出されたReceta(処方箋)にあった薬を術後1週間ほど服用・注射します。お薬の種類は以下。

  • Paracetamol 1g 解熱鎮痛薬
  • Enantyum 25mg 非ステロイド抗炎症薬
  • Clexane 0.4ml 注射型の血栓防止抗凝固薬
  • Prinperan 1mg 液体タイプの吐き気どめ

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退院後〜術後の検診

退院後に体重を測ったら【−4kg】でした!巨大子宮筋腫を取り除いてもらっておなかがスッキリしたので爽快です。

 

【退院後~術後1週間検診までの経過】

 

  • 【退院後3日間】何をしてもすぐ疲れてしまい、寝る・食べる・歩くだけの生活。最初は家のまわりを1ブロック歩くのが精一杯でした。食べ物もゼリーか赤ちゃん用ジュレみたいなのばかり食べていました。笑

 

  • 【術後1週間検診】手術から1週間後、傷口を留めていたホチキスを抜糸(抜ホチキス)するため通院。13箇所留められていたので外してもらってスッキリ!今後は何も塗らず、シャワーの後よく乾かしてとだけ言われました。それだけで半年後には傷跡は薄くなるそう。次の検診は6ヶ月後!

 

  • 【運動は1ヶ月半禁止】癒着防止のためたくさん歩いてねと言われたものの、ヨガ・ランニング・筋トレなどの腹筋に力が入る運動は1ヶ月半も禁止!果たして大人しくしていられるのでしょうか?笑

 

【まとめ】スペインで治療できてよかった!

個人的にはスペインで入院・手術の治療を受けることができてよかったと感じています。その理由は…

 

  • 医師の判断が早く手術を迷う暇がなかった
  • 同じ子宮筋腫の手術でも日本は入院1週間ほど、スペインは2〜3泊と入院期間が短くすんだ
  • 痛みをしっかり薬でコントロールしてくれた
  • スペイン人の看護師さんたちが明るくて入院中も前向きに過ごせた
  • いい意味でアッサリした治療体制、でもやることはしっかりやってくれて安心感があった

 

スペインの医療機関に実際かかってみて、とても信頼できることがわかったので、これからも不調を感じたら我慢せずすぐに診察してもらうよう心がけたいと思います。何はともあれ健康第一!最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

【おまけ】体に関する単語集

日本の「一般財団法人日本医療教育財団」という団体が発行している便利な単語集があったのでシェアします!人体の各器官の名称や、症状に関する表現、薬・検査・病名などに関する用語などが日本語/中国語/英語/ポルトガル語/スペイン語でまとめられています。↓↓

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000385188.pdf

 

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