バルセロナから日帰りで行ける街、ジローナにあるレストラン「Café le Bistrot」。カタルーニャ料理の特徴を活かしたメニューが豊富。
ジローナは、バルセロナ市内から特急電車で約40分の場所にある、川沿いの街並みが印象的な美しい街。賑やかで活気あふれるバルセロナとはまた違う落ち着いた雰囲気が漂うジローナは、心静かに過ごすのに最適です。
ジローナの過ごしかた
ジローナの観光エリアは旧市街にまとまっており、丸1日あれば巡ることができます。大聖堂(カテドラル)、修道院、アラブ風呂、ユダヤ人博物館などが旧市街に所在しています。これらの建物施設が見どころであるのは勿論ですが、ジローナはその街並みの美しさや、カタルーニャの歴史とともに歩んだ地から醸し出される文化的な薫りも大きな魅力。
忙しないタイムスケジュールで旧市街の観光スポットをくまなく巡るプランもいいですが、わたしはゆっくりお散歩しながら街の景色を眺め時間の流れを味わう過ごしかたをおすすめします。
ジローナの大聖堂(カテドラル)
カテドラル内部の回廊。
ジローナの歴史
中世の面影が残るジローナは、カタルーニャ州の歴史の中でも特に重要な場所。ここはイベリア半島でありながらフランスに近い土地のため、半島の南からのイスラム教徒侵攻時に北のフランク王国勢力の南下によって領土を奪還した歴史があります。そしてこの領土を地元貴族ジローナ伯が納めることになりました。その後もヨーロッパで戦争があるたびに、フランスとの境目に近いジローナは最前線の地となる運命でした。またジローナにはユダヤ人追放令までのあいだに形成された貴重なユダヤ人社会の史跡も残っています。
ユダヤ人博物館の展示
ユダヤ人博物館の中庭風景
歴史にご興味があれば、バルセロナやジローナが位置するカタルーニャ地方の歴史についての知識を事前に知り含めておくと、この街をさらに味わい深く感じられると思います。私はこちらの本を読みました。ジローナ滞在中に読むのも素敵ですよね。↓
ジローナの感動レストラン
ジローナを訪れたら、せっかくなら食事も素敵なレストランで楽しみたいもの。だけど観光でのレストラン選びは当たりハズレも運次第なところがあります。
しかし私は心の底から美味しい食事を愛しているので、神様が毎回素敵なレストランに導いてくれます!(おおげさ)。ハードルを自ら上げていますが本当に感動したので高まるご期待に添えるはず。そのレストランの名は「Cafè le Bistrot」。
街並みに溶け込むテラス席
ジローナの旧市街にあるレストラン「Cafè le Bistrot」は、まるで映画の中に自分がいるような気分にさせてくれるテラス席がありロケーションが最高。石階段の踊り場にテーブル席が設置されているから、まさにジローナの街を背景に食事を楽しむことができます。
テラス席の数には限りがあるため、タイミングよく訪れるのがポイント。早めのディナータイムに入店したら運良くテラス席が空いてました。
レストランは室内席もたくさんあるので、テラス席が空くのを待ちたくない方や真夏や真冬に訪れる方には店内席をおすすめします。レストランの入り口は一般的な造り。
カタルーニャ料理が豊富なメニュー
「Café le Bistrot」にはカタルーニャ料理の特徴を活かしたメニューが豊富。その特徴とは「甘くてしょっぱい味付け」。
レストランのウェブサイトを見ると「料理とは芸術、そして人間の生活をあらわす文化だ」というようなことがカタルーニャ語で書かれています。カタルーニャ料理の伝統的な特徴を大切にしながらも、世界中から訪れるお客様の口にあうメニューに変容させてゆく。カタルーニャ文化の尊厳を保ちつつ、柔軟な変化も厭わない、そんなカタルーニャ人らしいポリシーを感じました。
La cuina és un art que consisteix a metamorfosejar les coses en un sentit amable i discret.
….Contra l’ espontaneïtat de la vida natural i informe, la vida humana -la cultura-, limitada, astuciosa, aspirant a la seguretat, transforma i metamorfoseja les coses.
La cuina és un fenomen de la cultura.
JOSEP PLA (El meu país) (Ed. Destino 1974)
カタルーニャ語のメニューを渡された場合もご心配なく。Google翻訳のカメラ機能で乗り切りることができます。
注文したサラダには甘みのある苺がトッピング。バルサミコ酢の酸っぱ塩っぱさにフレッシュなモッツアレラチーズと苺が好相性。口にするとふわりと香るローズマリーが爽やか。シンプルなサラダですがとても美味しかった。
海老のピザ。カリサクのパン生地にチーズとピザソースという組み合わせはそれだけでも唸るおいしさ。さらに海老がプリっとしていて、食感と味の両サイドから大満足。
デザートにはトリュフチョコレートとレモンジェラート。しっかり濃厚なトリュフチョコレートとサッパリ酸っぱいレモンジェラートを交互に口にすると幸福感は絶頂に。
1時間半ほどかけて食事すると徐々に日が傾いてきて、変化する空の色にも感動。この写真はまだ明るい時間のものですが、日が落ちて濃紺に染まるジローナの空色は深く清らかでした。
旧市街にある便利な立地
「Cafè le Bistrot」はジローナの旧市街にあるため観光の流れで訪れやすい便利な立地です。小道を入るので少しわかりにくいかも知れませんが、Googleマップにしたがって進めば問題ありません。
レストラン「Café le Bistrot」基本情報
- 店名:Cafè le Bistrot
- 住所:Pujada de Sant Domènec, 4, 17004 Girona
- 営業時間:13時~16時、19時半~0時
- ウェブサイト:Le Bistrot
- Googleマップ:
バルセロナからジローナへの行き方(電車)
バルセロナ市内からジローナまでの移動手段は電車とバスの2通りありますが、電車がおすすめです。また電車といっても普通電車から特急までいくつかの選択肢がありますが、普通電車は安いけど約1時間半ほどかかります。高速電車AVEならジローナまで38分の乗車時間であっというまです。なのでわたしはAVEを利用しました。
- 出発駅:バルセロナ・サンツ駅
- 所要時間:高速電車AVEなら38分
- 片道料金:17.4€(時間帯によって安いチケットもある)
- シーズンや時間帯によっては空席が少ないこともあるので、乗車券は事前のネット予約が安心です。予約した場合、当日は駅の自動発券機で乗車券を発券します。
- Renfeのサイトは乗車日の選択中にエラーが出たりしてスムーズにいかないことが多いので、私はRenfeやAVEの乗車券を事前購入する時にはこちらのサイトから予約しています。→ Train and AVE tickets now cheaper - Trenes.com
ジローナは街並み、歴史、食事と、旅の醍醐味をすべて満たしてくれる素晴らしい街。バルセロナからの日帰り旅でも十分に満喫できますが、時間に余裕がある方には一泊二日かけてゆっくりする過ごしかたもおすすめです。
(閑話)海外レストラン情報というものは今の時代トリップアドバイザーやGoogleマップのローカルガイドの口コミなどでいくらでも辿り着ける情報です。そこを訪れた誰かの感想を参考に活用できることはとても便利で、私も色んな人の評価や口コミを参考にさせていただいています。
その一方で、多くのレビュワーがつける評価によってそのお店の評価が決まるため、お料理や雰囲気、お店のサービスにどんなに感動した人がいたとしても、多数意見に中和されその「感動」が伝わりづらくなる可能性もあるものと思っています。
レストラン登録数や訪問数では口コミサイトに足元にもおよびませんが、ばるログでレストランのことを書くときは、自分の心の動きをだれかに伝えられたらいいなという思いで、出し惜しみなく感動ポイントを書き尽くしています。ですがやはり人によって感じ方はちがうし、訪れるタイミングによって受ける印象も変わるもの。それもいとおもしろきこと、ですね。
だからこそ、ぜひ皆さんの目で見て、肌で感じて、舌で味わってみてくださいね。