2020年3月14日21時、スペインのペドロ・サンチェス首相は特別会見を行い、新型コロナウイルス警戒事態(estado de alama)を宣言しました。
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【スペインのロックダウン緩和】6月中に新しい日常?4つのフェーズを経て地域ごとに規制緩和へ
家族がスペインに住んでいて不安に感じられている方や、スペインに住み始めたばかりで会見の内容がわからなかった人などもいらっしゃると思うので、スペイン警戒事態宣言(estado de alama)の概要をまとめました。
El Estado de Alarma afectará a todo el territorio nacional durante 15 días. A partir de hoy la Autoridad Competente en todo el territorio será el Gobierno de España. El RD se publicará en el BOE esta noche y entrará vigor con efectos inmediatos.#EsteVirusLoParamosUnidos #Covid19 pic.twitter.com/48J6fHDzXv
— Pedro Sánchez (@sanchezcastejon) 2020年3月14日
▼3月12日までのこれまでのスペイン国内における新型コロナウイルス関連状況はこちらの記事
【3月12日更新】スペイン(バルセロナ地域)の新型コロナウイルスに関する影響
▼3月14日以降の警戒事態宣言後のスペイン生活の様子はこちらの記事
【警戒事態宣言5日目】スペイン バルセロナのロックダウン(外出禁止)生活
警戒事態宣言中はスペイン国内のすべての権限がスペイン政府に帰属。そのため各自治州の警戒機関はスペイン内務省の管理下におかれます。これは官報が発行された時点で効力が発生。今後15日間は外出制限が行われます。またこの措置は議会の承認によって延長可能となっています。
【3月23日追記】スペインのペドロ・サンチェス首相が会見を行い、警戒事態の15日間延期を発表、議会承認後に正式決定の予定。外出禁止などの措置は4月11日まで延期となります。
人の移動の制限
感染を防ぐため不要不急の移動は制限され、国民に自宅待機を課します。ただし以下の場合は特例として外出が認められます。
- 食料品、医薬品、生活必需品の購入のための移動
- 医療機関への移動
- 仕事を行うための職場への移動
- 自宅へ戻るための移動
- 高齢者、障害のある人、未成年者の世話をするための移動
- 金融および保険機関へアクセスするための移動
- その他の正当な理由がある場合
自家用車での移動は上記理由による場合のみ認められます。ガソリンスタンドでの給油は可能。犬の散歩はできます。
店舗や施設の営業制限
非常事態宣言中は以下の例外を除いて全ての小売商店は閉鎖されます。また、従業員と消費者とのあいだは1メートル以上の距離を保つよう指示されています。以下例外
- 食料品店、生活必需品を取り扱う店舗
- 薬局
- 医療機関
- 眼鏡店、人工補正器具を扱う店
- 衛生管理商品を扱う店
- 新聞雑誌販売店
- 燃料販売店(ガソリンスタンド)
- タバコ屋
- 精密機器、通信機器を扱う店
- ペットフード販売店
- クリーニング屋
- オンラインショップ
博物館、美術館、図書館、記念建造物、劇場、映画館、スポーツ施設、レジャー施設は閉鎖。レストランやバルも閉鎖されますが、テイクアウトや配達は可能となっています。
交通機関の制限
- 近距離列車は100%運行
- 中長距離列車、高速鉄道(AVE)、国内航空便、長距離バスは50%の運行
その他の制限や特例
- 冠婚葬祭の禁止
- 宗教的な催事は人と人の距離を1メートル以上とること
- 国内医療機関(私立病院など)はすべて中央政府保健省の直轄下となる
- 国内の工場、薬局等に中央政府保健省の介入をみとめる
- 人的資源を中央政府保健省が管理できる
封鎖はされないしインフラも保たれる
1日前にカタルーニャ州政府のキム・トーラ州知事はカタルーニャ州の空港、港湾、陸路の封鎖をスペイン中央政府に求めていましたが、ペドロ・サンチェス首相は封鎖は行わないと話しました。封鎖ではなく、人との接触を避けることで感染拡大に対抗する見解を示しています。またスペイン政府は食料、水、エネルギーなどの基本的な生活インフラの供給を保証します。
なお、3月14日12時時点でのスペイン国内コロナウイルス感染者数は合計5,753人で、来週には10,000人を超えると予測されています。
スペイン中のベランダから拍手の意味
首相会見後の22時、スペイン各地のベランダから拍手が湧き上がる現象が起きました。この状況をみんなで乗り切ろう!という励ましと、コロナウイルスの対応にあたる医療従事者への敬意を表するもので、SNSを通じてスペイン国内に呼びかけられたもの。拍手による激励はこの日に限らずこれから毎晩行われるようです。
会見が終わった途端、ご近所のあちこちで一斉にテラスに出て、拍手とEspaña! の大喝采。遠くからも聞こえる。
— TapasMadrid (@TapasMadrid) 2020年3月14日
そんな取り決め?それともスタジムのウェーブみたいに伝播してきた?
そして、その拍手に見送られるように無人の通りを走っていくGlovo(スペインのUber Eatsみたいなの)の自転車配達員...
コロナウイルスとの戦いを続ける医療関係者への敬意と感謝を捧げる拍手は、スペイン全土で22時に行われました。
— TapasMadrid (@TapasMadrid) 2020年3月14日
ビルバオではSan Mamésに、バスク語で「ありがとう」のメッセージ! https://t.co/wMrEjhuqU2
https://twitter.com/cafe_con_leche7/status/1238934255318847488
https://twitter.com/mm_msk41130/status/1238933718795943937