最近よく耳にする「SDGs(エスディージーズ)」。国連が採択した2030年までの世界共通目標のことで日本では一般的にSDGsと言われますが、スペインでは「アジェンダ2030」や「ODS」と呼ばれています。
- 日本ではSDGs、なぜスペインではアジェンダ2030やODSなの?
- スペイン政府の呼びかけ
- SDGs17のゴール、スペインや世界の現状
- GOAL1. 貧困をなくそう(Fin de la Pobreza)
- GOAL2. 飢餓をゼロに(Hambre Cero)
- GOAL3. すべての人に健康と福祉を(Salud y Bienestar)
- GOAL4. 質の高い教育をみんなに(Educasión de Calodad)
- GOAL5. ジェンダー平等を実現しよう(Igualdad de Género)
- GOAL6. 清潔な水と衛生(Agua Limpia y Saneamiento)
- GOAL7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに(Energía Asequible y No Contaminante)
- GOAL8. 働きがいと経済成長(Trabajo decente y Crecimiento Económico)
- GOAL9. 産業、技術革新と社会基盤(Industria, Innovación e Infraestructura)
- GOAL10. 人や国の不平等をなくそう(Reducción de las Desigualdades)
- GOAL11. 住み続けられる街づくり(Ciudades y Comunidades Sostenibles)
- GOAL12. つくる責任、つかう責任(Producción y consumo responsables)
- GOAL13. 気候変動の取り組み(Acción por el Clima)
- GOAL14. 海の豊かさを守ろう(Vida Submarina)
- GOAL15. 陸の豊かさも守ろう(Vida de Ecosisitemas Terrestres)
- GOAL16. 平和と公正をすべての人に(Paz, Justicia e Instituciones Sólidas)
- GOAL17. パートナーシップで目標を達成しよう(Alianzas para Lograr los Objetivos)
- スペインのSDGsについて書こうと思ったきっかけ
日本ではSDGs、なぜスペインではアジェンダ2030やODSなの?
「SDGs」はSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、2030年までの世界共通目標です。これはより良い地球の未来のための計画「持続可能な開発のための2030アジェンダ」として、2015年9月の国連サミットで193の国と地域による全会一致で採択された目標。17のゴールと169のターゲットから成り立ちます。
日本では一般的に英語名の略称である「SDGs(エス・ディ・ジー・ズ)」が使用されていますが、スペインでは「ODS(オ・デ・エセ)」や「Agenda 2030(アヘンダ2030)」と呼ばれています。この目標の正式名称をスペイン語で表すと以下のように表記されます。そのため英語起源のSDGsという呼称はスペイン語圏では理解・浸透されにくいと考えられ、ODSやAgenda2030と呼ばれているのでしょう。
- 英語 :Sustainable Development Goals(略称:SDGs)
- 日本語:持続可能な開発目標(日本での呼称はSDGs)
- スペイン語:Objetivos de Desarrollo Sostenible(スペインでの呼称はODSまたはAgenda2030)
▼こちらがスペイン語バージョンのSDGs「Objetivos de Desarrollo Sostenible」
▼こちらは日本で使われているバーション「Sustainable Development Goals」画像元:2030アジェンダ | 国連広報センター
スペイン政府の呼びかけ
スペイン政府のウェブサイト(→リンク)には以下のように記載されています。
2030年にODS(SDGs)を達成したスペインは、私たち全員が夢見る国になります。このため、国家のビジョンと政府の行動の中心にはすでに2030アジェンダが据えられています。
Una España que haya alcanzado los ODS en 2030 será el país con el que todos y todas soñamos. Por eso, la Agenda 2030 está ya en el centro de la visión de Estado y de la acción de Gobierno.
政府、民間セクター、市民社会、それぞれ全員に役割があることを伝え、一人ひとりに行動を呼びかけています。これはアジェンダ2030(SDGs)の共通原則なので、日本でも同じことが言われていますね。
SDGsスローガン「だれも取り残さない」スペイン語では?
SDGs(アジェンダ2030)では「No one will be left behind(だれも取り残さない、だれも置き去りにしない)」というスローガンを掲げています。これは地球上の幅広い社会課題に置かれている人のだれ一人として見放すことはないという強い決意を表しています。
スペイン語でこのスローガンを表す場合は、
"NO DEJE A NADIE ATRÁS."(ノ・デへ・ア・ナディエ・アトラス)
と言います。
ハッシュタグは「#Soy2030」
ソーシャルメディアで持続可能な取り組みをシェアする時は「#Soy2030」や「#ODS」のハッシュタグを使用して知らせてくださいと、周知しています。インスタやツイッターで探してみると色々な取り組みを知ることができます。
▼スペインと日本のSDGs達成度や課題を比較した記事はこちら
【SDGsランキング2020】日本とスペインのSDGs達成状況を比較してみた|海外のSDGs - ばるログ in バルセロナ
SDGs17のゴール、スペインや世界の現状
SDGsの17個の各ゴールについてのスペインや世界の現状が、スペイン政府サイト上で公表されています。
GOAL1. 貧困をなくそう(Fin de la Pobreza)
- スペインの人口の21.6%は国の貧困ライン以下で生活している(16歳未満の子供の31%、16〜64歳の21.9%、65歳以上の14.8%)
- 貧困または社会的排除リスクが最も高い世帯タイプは、1人以上の扶養する子供を持つ成人世帯(47.9%)
- 18歳未満の子供がいる世帯は、社会的排除リスクが全国平均より高い(32%)
- 障がいのある未成年者のいる家庭では、経済的な問題に直面するリスクが著しく高い傾向
- 移民は権利の侵害および統合の困難のため、53%の社会的排除のリスクがある
GOAL2. 飢餓をゼロに(Hambre Cero)
- スペインの人口の3.7%は食料不足に苦しんでいる*(* 彼らは肉、鶏肉、魚の食事を少なくとも一日おきに買うことはできません)。スペインの未成年者の3.4%が食料不足。男性の3.5%と比較し、女性は3.8%。
- 現在、世界の9人に1人が栄養不足。つまり世界で約8億1500万人。
- スペインの人口の16.9%は肥満で(2014年)、35.7%は超過体重、2.2%が過少体重です。
- 太りすぎと肥満は、2016年に世界中で5歳未満の4,100万人の子供(6%)に影響を与えている。
GOAL3. すべての人に健康と福祉を(Salud y Bienestar)
- 多くのヨーロッパ人の死につながる病気は不健康な食生活が招くことを考慮に入れると、病気を防ぐ食事に必要な措置を避けることはできません。
- 健康分野は、SDG複数のゴールの相互作用が反映される領域の1つ。都市汚染は健康に対する負の影響を与えます。
- 公衆衛生の普遍的な質の達成に貢献するように現在の法律と規制を見直す。スペイン政府の目標の1つは、保健システムの普遍的、公的、自由な性質を維持することと、その持続可能性を保証することです。
- 今日、世界中で毎年5百万人以上の子供が5歳になる前に亡くなっています。
- 2000年以降、世界中の妊産婦死亡率は37%減少しています。
- HIVは、世界中の生殖年齢の女性の主要な死因です。
- エイズは現在、アフリカの青年(10〜19歳)の主要な死因であり、世界で2番目に多い青年の死因です。
GOAL4. 質の高い教育をみんなに(Educasión de Calodad)
- 教育の役割は、人権、平和、地域と地球市民権の責任ある行使、ジェンダー平等、持続可能な開発と健康の実現において最も重要。すべての人々が実りある人生を送り、情報に基づいた意思決定を行い、地球上の問題への取り組みと解決において積極的に役割を果たすために必要な知識、能力、価値観、態度を習得することができる。
- 障害のある少女少年は、技術的、物質的、人的なサポートを特に必要とする。サポート不足は教室での日常活動や課外活動、社会共存にマイナスの影響を与えることがわかっています。
- いじめは、疑いもなく、根絶されなければならないこと。
- スペインの大学制度は、技術系・科学系キャリアにおいてジェンダーギャップが依然として見られる。
- 発展途上国の初等教育への就学率は91%に達していますが、小学生の年齢の5,700万人の子供たちはいまだ学校に通っていません。
- 就学していない子どもの半数以上がサハラ以南のアフリカに住んでいます。
- 小学校に通っていない子供たちの50%が紛争地域に住んでいると推定されています。
- 世界の6億1700万人の若者は、基本的な算術スキルと最低レベルの読み書き能力が不足しています。
GOAL5. ジェンダー平等を実現しよう(Igualdad de Género)
- スペインの登録失業の58%は女性。
- スペインの男性と女性の平均給与差は5,941ユーロ。
- スペインでは、パートタイム労働者の75%が女性。
- スペインの女性は、家や家族に関連する仕事に男性の2倍以上の時間を費やしています。
- スペインの女性のうちわずか28%が技術系キャリア、7%がエンジニアリングに従事。
- 2003年以降ジェンダーバイオレンスによる殺人が集計され、スペインでは973人の女性がパートナーまたは元パートナーによって殺害、2018年には47人の女性が殺害されました。
GOAL6. 清潔な水と衛生(Agua Limpia y Saneamiento)
- 水管理は課題であり、気候変動の状況で増加すると予想され、スペインの公共政策の枠組みの中で水資源の管理を重要な役割に置いています。
- スペインの水ストレス指標(6.4.1.)は、EUで最大の20.6。
- 1980年から2010年にかけて、スペインの降水量は18%減少している。
- 世界の10人中3人が安全な飲料水サービスを利用できず、10人中6人が安全に管理された衛生施設を利用できません。
- 女性と少女は、流水にアクセスできない世帯の80%で水を収集・運搬する役割を負っています。
- 世界の24億人がトイレや洗面所など基本的な衛生サービスを利用できません。
- 人間の活動から排出される廃水の80%以上は、何も処理せずに川や海に捨てられ、汚染を引き起こしています。
GOAL7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに(Energía Asequible y No Contaminante)
- 2016年のデータでは合計680万人のスペイン人、人口の15%がエネルギー貧困でした。
- 輸送エネルギーは、スペインの温室効果ガス総排出量の28%を占めています。
- スペインでは、石炭が最も多くのCO2を排出する化石燃料で、総排出量の17%を占めています。
- 石油は一次エネルギーの42%を占め、CO2総排出量の52%を占めます。
- 天然ガスは一次エネルギーの20%を占め、総CO2排出量の15%を生成。
- スペインの2,500万世帯の平均エネルギー品質は良好ではありません。
- エネルギーは気候変動の主な原因であり、全世界の温室効果ガス排出量の約60%を占めています。
GOAL8. 働きがいと経済成長(Trabajo decente y Crecimiento Económico)
- 失業問題、特に若者の失業はスペインで最も差し迫った課題。経済危機で破壊されたスペインの雇用、そして不安定な状況下での雇用創出は、不平等の拡大、貧困、社会排除の外郭変化の主な要因です。
- 若者の失業率は2008年の第1四半期499.00人から、2012年第3四半期981,400人に。
- 2017年の世界の失業率は5.6%でしたが、2000年には6.4%でした。
- 世界中で、2016年に労働者の61%が規制されていない職に就いていました。農部門を除き、全労働者の51%がこの雇用カテゴリーに含まれています。
- データが入手可能な45か国のうち40か国で、男性は女性よりも12.5%多く稼いでいます。
- 世界のジェンダーペイギャップは23%であり、何も行動しなければ、同等の給与を達成するにはさらに68年かかります。女性の労働力への参加率は63%、男性は94%です。
- 公の生活の中での存在感の高まりにもかかわらず、女性は男性よりも2.6倍の無給の介護と家事労働を続けています。
- 2016年から2030年の間に、初めて労働市場に参入する人々にとって、世界中で4億7千万人の雇用が必要です。
GOAL9. 産業、技術革新と社会基盤(Industria, Innovación e Infraestructura)
- スペインの産業は今よりもさらに持続可能な産業へと移行し、その実現に向けた可能性を保証する。またインダストリー4.0に向けてデジタルトランスフォーメーションを実施するという課題を抱えています。
- 産業化による職業増加は、社会にプラスの影響を与えます。
- 工業処理と製造生産に従事する中小企業は、工業化の初期段階で最も重要で、最大の雇用創出者です。世界の企業の90%以上を占め、雇用の50〜60%を占めています。
- 後発開発途上国は、食品および飲料(アグリビジネス)とテキスタイルおよび衣料品分野に大きな工業化の可能性を秘めており、持続的な雇用創出と高い生産性が期待できます。
GOAL10. 人や国の不平等をなくそう(Reducción de las Desigualdades)
- SDG10は、スペイン内の性別、年齢、障害、人種、民族、宗教などの理由によって引き起こされる不平等の削減を促進する。
- 経済的不平等の指標は、2008年の5.6から2017年には6.7に増加。
- 2016年には途上国が世界市場に輸出した製品の64.4%以上がゼロ関税に適合、2010年から20%増加。
- 発展途上国提供のデータによると、最貧困層20%の子供は、最も裕福な子供よりも5歳の誕生日までになくなる可能性が最大3倍高いと示されている。
- 社会的保護は世界中に広がっていますが、障がいのある人は壊滅的な医療費に直面する可能性が最大5倍高い
- 妊産婦死亡率は全体的に低下していますが、開発途上国農村部の女性は、都市部に住んでいる女性よりも最大3倍も出産で死亡する可能性が高い。
- 所得の不平等の最大30%は、男女間における家庭内不平等によるもの。女性は男性の収入の中央値の50%未満で生活する傾向がみられます。
GOAL11. 住み続けられる街づくり(Ciudades y Comunidades Sostenibles)
- スペインは50の州のうち22州で著しい高齢化、そのうち14の州では危機的な状況。
- 都市計画の戦略的フレームワークとして機能する地域規模の計画手段を備えている自治コミュニティは10のみ。
- 人類の半分、35億人は都市に住んでいて、その数は2030年までに50億人に増加すると予測されています。
- 今後数十年、都市部の拡大の95%は発展途上国で行われます。
- 世界の都市部はわずか3%の面積ですが、エネルギー消費量の60%~80%、二酸化炭素排出量の75%を占めています。
- 急速な都市化は、淡水供給、下水、生活環境、そして公衆衛生に影響が出ます。
- 2016年以降、都市居住者の90%が世界保健機関の安全基準を満たしていない空気を吸って(つまり大気汚染によって)、合計420万人が死亡。世界の都市人口の半数以上が、安全基準より2.5倍高い大気汚染レベルに曝されました。
GOAL12. つくる責任、つかう責任(Producción y consumo responsables)
- スペインでは、持続可能な消費と生産方法に関する計画の10年フレームワーク(10YFP)を実施しています。
- 2017年は、1週間あたり平均2360万kgが無駄になりました。
- 2050年に世界人口が9億6千万人に達した場合、現在のライフスタイルを維持するのに必要な天然資源量は、3つ分の惑星に相当する量の確保が必要になります。
- 世界250の大企業の93%が、持続可能性レポートを発行しています。
- 一般家庭は世界のエネルギーの29%を消費し、結果としてCO2排出量の21%を占めています。
- 最終エネルギー消費における再生可能エネルギーの割合は、2015年に17.5%に達しました。
- 毎年、生産された全食品の約3分の1、約10億ドル相当、13億トンに相当する量は、消費者の手元や小売用コンテナで腐敗や廃棄されたり、不適切な食品慣行で無駄になっています。
- 世界中の20億人が太りすぎまたは肥満。
- 土地の劣化、土壌の肥沃度の低下、持続不可能な水利用、乱獲、海洋環境の劣化により、天然資源基盤の食料供給能力が低下しています。
- 食品セクターは、世界の総エネルギー消費量の約30%、温室効果ガス排出量の22%を占めています。
GOAL13. 気候変動の取り組み(Acción por el Clima)
- 2018年4月、175の締約国がパリ協定を批准し、168の締約国が気候変動枠組条約で取り決められている最初の報告を実施。
- 先進国は2020年までに毎年1,000億ドルを共同で出資するという目標に向かって動き続けている。
- 気候変動に関する政府間パネルによると、1880年から2012年の間に世界平均気温は0.85度上昇。これは1度上がるたびに穀物生産量が約5%減少することを意味する。温暖化のため、1981年から2002年の間にトウモロコシ、小麦、その他の重要な作物の生産量は、世界中で年間40メガトンレベルで大幅に減少。
- 海水が温まり雪と氷の量は減少、これにより海面は上昇しました。1901年から2010年の間に、温暖化と解凍により海が拡大したため、平均海面水位は19 cm上昇。北極海の氷の範囲は1979年以降の数十年で減少しており、10年間で107万km2の氷が失われました。
- 現在の大気濃度と温室効果ガスの継続的な排出を考慮すると、21世紀末までに世界の気温上昇は1850年~1900年の期間と比較し、1.5℃以上となる可能性がある。
- 海面上昇は平均で2065年に24〜30 cm、2100年には40〜63 cmと予測。
- 二酸化炭素(CO2)の地球規模の排出量は、1990年以来ほぼ50%増加。
- 2000年から2010年の10年間、過去30年間よりも排出量が大幅に増加。
- 幅広いテクノロジーを駆使し、行動の変化を取ることで、世界平均気温の上昇を産業革命前の水準の2℃以内に抑えることは可能。
GOAL14. 海の豊かさを守ろう(Vida Submarina)
- スペインは科学、技術、イノベーションの国家計画を通じて、海洋研究を奨励することに加え、問題解決策を生み出すための取り組みを強化、調整する国際的なイニシアチブに非常に積極的に参加しています。
- 世界30億人以上の人々が海洋および沿岸生物多様性に依存し生計を立てている。
- 世界の海洋資源、沿岸資源、その産業の市場価値は年間3兆ドル、世界のGDPの約5%と推定されています。
- 海の生物は約20万種が特定されていますが、実際の数は数百万に及ぶ可能性がある。
- 海は世界最大のタンパク質の供給源。30億人以上の人々がタンパク質の主な供給源として海に依存。
- 海洋漁業は直接的または間接的に2億人以上の雇用を提供。
- 開放されている海域の酸性度レベルは、産業革命以来26%増加。
GOAL15. 陸の豊かさも守ろう(Vida de Ecosisitemas Terrestres)
- スペインの自然の豊かさ、環境の多様性、地理的位置、人口密度の低い地域の広さを考慮すると、森林、生物多様性、自然遺産の管理はとても大切な課題。
- 世界の約16億人が森林資源で生計を立てています。
- 森林には、陸生動物、植物、昆虫の80%以上が生息しています。2010年から2015年の間に、世界は330万ヘクタールの森林地帯を失いました。貧しい農村部の女性は、特に森林資源の枯渇の影響を受けています。
- 26億人が農業に関係していますが、農業に使用される土地の52%は、土壌の劣化によって中程度以上の深刻な影響を受けています。
- 耕作可能な土地は、過去の30倍から35倍と損失したと推定され、干ばつと砂漠化により、毎年1200万ヘクタールが失われています(1分あたり23ヘクタールのペース)。
- 貧困層の74%は、世界中の土地劣化の影響を受けています。
- 8,300の動物種のうち、8%が絶滅、22%が絶滅の危機に瀕しています。
- 人間の食事の80%以上が植物系です。主要な3つの穀物(米、トウモロコシ、小麦)だけでエネルギー摂取量の60%を賄うことができます。
GOAL16. 平和と公正をすべての人に(Paz, Justicia e Instituciones Sólidas)
- 家庭内で虐待被害にあっている0歳から13歳までの子供の数は、2010年の13.53%から、2016年26.16%に増加しています。
- 腐敗の影響を最も受けている機関には司法と警察。
- 腐敗、贈収賄、盗難、脱税には、開発途上国で年間約1兆2600億ドルの費用がかかっています。この額は、1日1.25ドル未満で生活する人々を6年間支援するために使用することができる。
- 学校に通っていない小学校時代のおよそ2850万人の子供が、紛争の影響を受けた地域に住んでいます。
- 判決なしで拘留された囚人の割合は、過去10年間ほぼ一定で、全囚人の31%を占める。
GOAL17. パートナーシップで目標を達成しよう(Alianzas para Lograr los Objetivos)
- SDGsは国際的なアジェンダ(予定)であり、国際協力はその達成に不可欠。SDG 17は、持続可能な開発に必要なパートナーシップを促進するもの。
- 2017年の政府開発援助は1,466億ドルで、2016年から0.6%減少。
- 2016年には先進国の24%の人が高速インターネットを利用、開発途上国では人口の6%の利用。
- 40億人を超える人々がインターネットを使用しておらず、その90%が発展途上国に住んでいます。
- 世界の若者の30%はデジタルネイティブ、少なくとも5年間はオンラインを活用しています。
スペインのSDGsについて書こうと思ったきっかけ
2019年5月からスペインに住み始め、同時にこのブログをはじめてから早いもので1年が経過しました。これまではスペイン、特にバルセロナの観光・グルメ情報を発信してきました。それは私が行った・見た・食べたことをブログやSNSでシェアすることが、スペインを訪れる人のお役に立つ情報となるのではないかという思いで始めたことでした。
しかし、今年に入ってから世の中の状況が変化し、海外旅行することや、友人とテーブルを囲んで食事したりすることが難しい時期が訪れました。今は少しずつ状況が緩和し、新たな日常が始まりつつありますが、今までのようにスペイン旅行情報を発信することが今の時期、適切なのだろうか。スペイン観光情報を必要としている人、喜ぶ人は今どれくらいいるのだろうか。などと考えることが多くなりました。
引き続きこのブログでは自分の目で見たスペインの現状を、ありのままの自分の感性で伝えていきたいと思いますが、これからはスペインの現状、スペインの社会課題を解決するためのポジティブな取組の紹介なども記事にしていこうと考えています。最後まで読んでいただきありがとうございました!
【参考サイト】
OBJETIVOS DE DESARROLLO SOSTENIBLE | Agenda 2030 - Gobierno de España
「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択する国連サミット|外務省
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